あれ?もしかして、と違和感を覚えてもなかなか病院に行きづらい性に関する病気。
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けれど淋病、クラミジアは、共に罹患率のとても高い病気です。
また、そのまま放置しておくと取り返しのつかない病気に発展してしまうこともあります。


どこでどんな検査を受ければいいのか、予算はどの程度か、事前に分かっていれば、少しは安心できるのでは?とまとめてみましたので、どうそ参考になさってみてください!

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淋病とクラミジアの違いを超簡単に説明

淋病は淋菌により感染、クラミジアはクラミジア・トラコマティスという病原菌によって感染する病気です。

女性が感染した場合、どちらも自覚症状はほとんどありませんが、男性の場合、淋病に感染するとはっきりとした自覚症状を伴います。


また淋病では、まれに薬剤耐性を持ち、治るのに時間が必要な菌に感染することもあります。

原因や症状に似たところの多い二つですが、治療方法は異なりますので、どちらに感染しているのか、もしくは両方ともに罹っているのか(淋病患者さんの20~30%の方がクラミジアにも同時感染)をきちんと調べることが大切です。


淋病(りんびょう)とは?

男性の場合、尿道炎により排尿時に強い痛みを伴う自覚症状がありますが、女性の場合、膿のようなおりものが増える程度のため、検査をして初めて感染に気付く、といったケースが多いようです。

けれどそのまま放置しておくのは大変危険。

女性は卵管炎、腹膜炎、肝周囲炎等を引き起こし、それが不妊や子宮外妊娠へと繋がることもあります。


妊娠中に感染した場合には、流産や早産、破水などの原因ともなり、また母子感染では産道を通る際、淋菌性結膜炎を起こさせ、結膜炎、角膜潰瘍などの症状が赤ちゃんに現れることもあるのです。

男性の場合は精巣上体炎や前立腺炎など、こちらも女性の不妊に関わってきます。


また、感染経路が、

  • 口から口
  • 性器から性器
  • 口から性器
であることから分かるように、近年増えている咽頭淋病はいわゆる性行為(膣性交)だけでなく、口腔性交(オーラルセックス)での感染となっています。


口腔や咽頭の粘膜は傷つきやすいため、より感染しやすいのですね。
性器に感染したものより咽頭への感染の方が一般に治りにくいとされます。


また、先ほど書きました薬剤耐性を持った菌(薬剤耐性淋菌。スーパー淋菌などと呼ばれることもあります)です。

が、口の中にはもともと淋菌の仲間で、毒性のない『ナイセリア』という菌が存在しており、風邪や扁桃腺炎などで処方されたことのある抗生物質から学習し、すでに耐性をつけてしまっています。


そしてこのナイセリアが淋菌へ耐性遺伝子を伝達、知恵をつけさせるため、薬剤耐性淋菌に感染すると完治までの時間を要することとなるのです。

感染している男性または女性、どちらからでもパートナーに移ることのある病気ですので、思い当たる性交渉を持った場合などには、早めの受診をお勧めします。


とは言え、これをしたら感染する!などの決定的な原因はなく、普通の性行為でも十分感染の危険があるため、見極めはやっかいです。

特に、治りにくい咽頭の淋病は男性女性、どちらもあまり自覚症状がありません。

パートナーが変わった時など、念のため、検査を受けてみてはいかがでしょうか。

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クラミジアとは?

◆動画があります♪
性病]クラミジア感染を防ぐには

男女ともに自覚症状がほとんど現れないクラミジア。けれど性感染症の中では一番多い感染者数を持ちます。

女性の場合、感染すると子宮頚管と卵巣に、男性では尿道に炎症を起こします。
そのまま治療を施さずにいると、淋病同様、やはり不妊や流産の原因ともなります。妊娠中の感染は生まれてくる赤ちゃんに新生児肺炎、結膜炎などの症状をもたらす場合もあります。


また、性器クラミジアに感染している女性の二割程度には、咽頭へのクラミジアもみられます。

クラミジア・トラコマティスは主に目と性器に感染するクラミジアの一種なため、瞼の裏に炎症を起こし、腫れや充血、むくみを伴うこともあります。


感染原因のほとんどは性交渉となります。

淋病にも言えることですが早期に発見、治療を受ければ完治までの時間はそれほどかかるものではありません。


もしかしたら……と思うことがありましたら、思い切って検査を受けてみてくださいね。

感染していてもしていなくても、いろんな意味でスッキリするはずです!


淋病とクラミジアの違いを詳しく

ではもう少し具体的に二つの感染症の違いを見てみましょう。

症状

淋病 男性:尿道炎による激しい排尿痛があり、精巣上体炎を起こします。
女性:膿のようなおりものが増加する程度。卵管炎、腹膜炎、肝周囲炎等を引き起こします。
(性器または咽頭に感染し、咽頭淋病の方が完治に時間がかかります)


クラミジア 男性:尿道から少量の分泌物が出る程度。尿道の炎症、副睾丸の炎症が起きる場合もあります。
女性:おりものが少し増える程度。子宮頚管、卵巣に炎症を起こします。目に症状が現れることもあります。
(咽頭クラミジアの方が完治しにくい点は淋病同様)

どちらも放っておくと不妊の原因となります。

検査


淋病 男性:尿検査(咽頭淋病の場合は綿棒などで喉の粘膜を採取するか、うがい薬などを利用して調べます)
女性:膣から子宮頚管(産道)の粘膜を採取(咽頭淋病は男性と同じ)

クラミジア 男性:血液検査、尿検査
女性:血液検査、おりものの検査(咽頭クラミジアも男女とも淋病の時と同じ検査法です)

治療

淋病
長くても1週間程の治療期間です。

抗生物質の投与(飲み薬)が一般的ですが、咽頭淋病の場合は抗生物質が効かないため、静脈注射や点滴を受けることもあります。

治療終了後、3,4週間を置き、治癒確認の再検査があります。ここで陰性なら終了です。


クラミジア
長くても1週間程。治療期間は淋病と変わりません。 
                        
抗生物質の投与。ジスロマックなどが一般的です。クラミジアの場合、咽頭への感染でも抗生物質が有効です。

治療が終わってから、やはり3,4週間後の最終確認が必要です。



どちらも再発を防ぐため、治療が終わったから、と安心せずに時間をおいての最終確認が大事です。

自己判断で薬をやめたりすると、今までの治療が無駄になってしまいます。

症状が治まっても医師の指示通り、薬は飲み続けてください。


薬剤抵抗淋菌では特に注意!

他の性感染症とは違い、淋病で耐性菌が出やすい理由は先ほどお話ししましたが、この耐性菌、一度の治療で徹底的に死滅させてしまわないとさらなる耐性を付け、ますます強い治りにくい菌へと進化してしまいます。


抗生物質はよく効きます。そのため、もう治った気になってしまうものですが、油断は本当に大敵。
特に薬剤耐性淋菌の感染だった場合には、辛抱強く治療を続けてくださいね。

病院での受診は何科?料金は?

何科を受診?

淋病、クラミジア共に、性器に感染したのなら、

女性:産婦人科 男性:泌尿器科
咽頭への感染なら、どちらも耳鼻科になります。


咽頭部の場合、耳鼻科以外では保険が効きません。ご注意ください。

また、女性は「レディース・クリニック」や20代等の若い世代であれば「思春期外来」などの受診も可能です。

もちろん「性病科」であれば、専門医ということでより安心して治療を受けることはできます。


検査に関してのみ言えば、病院に比べ項目が少ないこともありますが、保健所また各自治体の施設でも原則無料で受けることもできます。

結果が出るのに時間がかかったり(2週間くらい)、毎日は実施されていない、結果は直接面談で通知され、電話や郵送では教えてもらえない、咽頭感染の検査は行われない、などありますが、一応覚えておくといいかもしれませんね。


また、検査キットをネット上で取り寄せ、サンプルをご自分で採取し、国の許可を受けた登録衛生検査所に送り、結果をオンラインか郵送で知らせてもらう、ということもできますので、ご都合に合わせた選択をご検討ください!


かかる料金は?

病院での検査では、検査料の他に、初診料(2回目以降は再診料)と処方料、判断料、お薬代などがかかります。

症状があれば、検査費には保険が適用されます。何も症状がない、純粋に『検査』のみする場合は自費になってしまうこともあります。



さて症状があった場合ですが、上のすべての料金込みで、1回につき2000円弱が目安のようです。

治療終了までに4回ほどの通院をすると考えると、8000円ほど。保険適用の場合です。

1回2000円と聞くと「そんなもんかな」と思いますが、総額約8000円となると、「高い気がする……」な気分になるかもしれません。


でも、1回分は2000円です。1回2000円で、不妊などが防げるなら「安い気が……」してきます。
(あくまでおおよその目安です。事前に確認して、納得のいく病院を選んでくださいね)

終わりに…

共に感染率の高いこの2つの性感染症。
特に女性の場合、自覚症状がほとんどないため、知らないうちに相手に感染させてしまうこともあり得ます。

性病、というと、なんとなく恥ずかしく感じますが、パートナーがいれば誰にでも起こり得る病気です。


淋病、クラミジアは特別な病気ではありません。 どうぞ恥ずかしい、という理由だけであなたの今後に不安を残さないよう、早めの検査、早めの治療で大きな安心を取り戻してくださいね!!
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