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えっ!「店」と「会社」の違いじゃないの?
と思っていた方も多いのではないでしょうか?


本店と本社

はい、違うのです!

税金って何が? なにか変わってくるの?
はい! 変わってくるのです!



今まで信じていた常識ががらりと変わってしまう(かもしれない)、この2つの違い。税金問題も併せてご解説いたします。

なるほど~、と納得のお手伝いができたら幸いです!


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本店と本社の違いを超簡単に説明


「◯◯会社本店の✖✖と申します」
「私は◯◯会社本社勤務でして、✖✖という者です」

などと自己紹介をされると、


……どちらが、そのぅ、本体で?
などと、非常に回りくどい聞き方で確認したくなります。

同じ会社でも「本店」と「本社」が別、というのはよくあることです。


「本店」とは、登記簿上に記載されている所在地にある会社のことを、一方の「本社」とは、その会社の中枢機能を担う、本拠地的な事業所のことを指して使われる、といった違いが、大まかな使い分けのポイントとなっています。


本店とは?


株式会社に限らず、すべての法人は法務局に事業所の所在地を届け出る必要があります。その際、企業の登記簿に記載する事業所のことを「本店」と呼びます。

つまり「本店」はその1事業所のみ、ということですね。



また「本店」はれっきとした法律用語となり、この登録した所在地は会社の法的な住所として扱われ、会社法では「会社の住所は、その本店所在地にあるものとする」と、定められています。

法的にきっちり明記された場所、となるため、国税庁の税務調査なども本店のある地域を管轄する税務署が担当することとなり、よって国税である法人税の申告納税の義務はこちらの「本店」のみとなります。


本社とは?


一方の「本社」。

○○会社の「東京本社」、「大阪本社」などという使われ方をし、必ずしも一つである必要はなく、また、「本店」=「本社」でも構いません。


その会社の中枢機能を担っている事業所、を指します。

例えば地方都市で興した会社をさらに発展させるため、違う場所にも事業所を移し、今後はそちらを中心として事業発展を目指す場合、そこは「~会社東京(または違う場所名でもそれ以外でも)本社」となるわけです。

「本社」は、法律用語では使われません。ですからここは「本社」にこだわる必要はなく、「支店」などにしてもいい、ということになりますね。


法人税を払う必要はありませんが、本社のある地域の地方団体に申告して「地方税」の納付はしなければなりません。

「本社」に限らず、たくさんの事業所を持ち展開している会社は、その分大変そうです。

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本店と本社の違いを詳しく解説


「本店」「本社」、それぞれの立ち位置が、何となくは掴めていただけたでしょうか。

では次に、比較を交えつつ、2つの違いをもう少し詳しく見ていってみましょう。


それを名乗るポイント

  • 本店: 法務局の企業登記簿に記載された所在地にあること
  • 本社: その会社の中心的働きを担う事業所であること。事業推進の本拠地として機能していること


この世にいくつある?

本店: その会社(またはそれに類する法人)の本店は1つ
本社: いくつあっても問題なし


本店とは別に本社を作るわけ


・会社を大きくするなど、一つの事業所では手一杯になったため
➡企業同士の合併など、それぞれの「本社」を持つ場合もあります。


・本社所在地のネームバリューを求めるため
➡信用を得るため、あえて本社をその地に構えることもあります。確かに主要都市に本社がある、というと、何となく安心感が……ということもあり得ますね。


・取引業者などとの連絡や繋がりのため
➡取引相手に限らず、相談者さんやよく利用してくれるお客さんの多くいる場所に本社を構えるのは、理に適っているともいえます。


・自宅を登記上のみの本店とし、営業は別の事業所に任せている
➡この場合、税金(法人税)の関係で、国税局長が納税地を指定することもあります。


本店と本社が別ではダメな業務は?


・宅地建物取引業など、その「業種としての免許」を本店所在地に与えられるものは、そこに事務所がないといけません。


問題あり! の別本社(支店)


本来なら、なるべく事業実績などの活動の実態に合わせた「本店登録」が望ましいとされますが、上記の都合や業務の性質上、本店とは別に本社を作ることは認められていることです。

けれど、一部の悪い人たち(自宅を本店として、自宅関係の費用まで会社で処理しようとしたり、税金逃れに使ったり)のために、本店と異なる本社を持つ会社には税務署も必要以上に目を光らせることとなってしまいます。


本当に本社を別に作る必要のある人たちのためにも、何とかいい人になって欲しいところです。


最後に魚屋の親父さん編をご紹介


葛飾柴又で魚屋『水幸』を営むご主人が、「湘南あたりで商売したい!」と言い出した息子さんに、渋々ながらも出店を許可。

息子さんの頑張りで湘南のおしゃれな街にも似合う二代目の『水幸』は誕生しました。


・葛飾柴又: 本店
➡もともとの商売地である所在地が法務局の登記簿に記載された住所です。本店を移転しない限り、それは変わりません。

・湘南: 本社 (または支店) 
➡ご主人が息子さんの努力を認め、『魚屋 水幸』の本拠地を湘南とするなら「本社」を名乗れます。


これらのことからも分かるように、「本社」を持たない「本店」はあっても、「本店」のない「本社」は存在しません。


税金はどうなの?


まずは法人の払うべきこちらの3種類の税金、

  • 法人税(=国税): 本店所在地の所轄税務署に申告納付 → 本店のみ
  • 法人道府県民税と法人事務税(=地方税): 事務所・事業所在地のある都道府県に申告納付 → 本店・本社(支社)
  • 法人市町村民税(=地方税): 事務所・事業所のある市町村に申告納付 → 本店・本社(支社)


これが本店・本社の関係により、微妙に変わってきます。
前述の魚屋『水幸』さんに再度登場していただきましょう。


本店のご主人も息子に負けまい! と一層働き者に!


この場合、本店である葛飾柴又のお店も「営業実態のある事業所」の1つとして捉えられます。

『実態がある』というのは、まず場所があり、そこに働いている人がいること、とお考えください


よって税金は、

  • 法人税 → 葛飾区を管轄とする税務署から国へ納めます → 本店
  • 法人道府県民税と法人事務税 → 東京都と神奈川県にそれぞれ納めます
  • 法人市場村民税 → 本店、本社、それぞれの所在地の市町村に納めます → 本店=葛飾区 / 本社=(『水幸』のある)平塚市

先ほど挙げた通りの納付先となりますね。


息子さんの活躍に一安心。ご主人は引退を決意


登録記載はそのままに、営業は青山の息子さんが経営する『水幸本社』のみとなりました。

この場合の税金は、

  • 法人税 → 本店
  • 法人道府県民税と法人事務税 → 本社
  • 法人市場村民税 → 本社

と変化します。


というのも『法人税』は、本店所在地を納税地としているからなのです。

そして営業していない本店は「実態のある事務所、事業所」に当てはまらないため、納税の義務がなくなるわけです。


ただし、本店と本社の資産状況などから、本店のある場所が納税地として不適切だ、とされた場合には『水幸』さん本店のある葛飾区を管轄とする国税庁長官が、法人税の納税地を指定することとなります。

息子さんの『水幸本社』の地域を管轄する税務署からの納付となります。
「本店ではなく納税地の方を変更してしまおう」というわけです。


本店を移転するには


登記の際に『登録免許税』がかかります。

同一管内の移転で3万円、異なる管内への移転では6万円の登録免許税がかかるため、本社の移転と共に、本店も移転するかは、それぞれの企業の悩むところとなりそうです。


さらに支店を増やしたら


本店本社、とはズレますが、複数の事務所や事業所を持つ場合には、それぞれの地方団体に申告納付をしますが、納める地方税の合計金額自体は変わりません。

事業所が多いからプラスいくら、などではなく、会社全体を一つとし、納めるべき地方税を、事業所のある各地方団体へ按分するわけです。その割合は従業員の数で決まります。


変わってくるのは『均等割』と呼ばれるもの。


例えば、資本金1000万以下、従業員数50人以下の場合でも、

同じ都道府県内で、区や市が違う支店(または本社でも): 5万円
都道府県が異なる支店: +2万円=7万円

の均等割額を納付しなければいけません。

ローンの分割手数料のようなものでしょうか。


他道府県や、別の区、市に事業所が増えれば増えるだけ、この『均等割』の納付額も増えていきます。

同じ区や市であれば必要ありませんが、近場だけでいくつもの支店を作る、というのも、なかなか難しそうです。


お金はかからないけど手間がかかるもの


償却資産税(事業で使うものの中でも、備品や車両など、消耗品に分類される資産にかかる税金): 本店、本社(または支店)ごとの管理、納付となります。


源泉所得税(働いている人たちの代わりに会社が給料から天引きして納めてくれる税金): 給与計算を本店でまとめて、ではなく各事業所ごとに行う場合には、それぞれの事業所を管轄する税務署に納付してください。


税金に関しては、

  • 国税である『法人税』は、本店所在地のある税務署に。
  • 地方税は、本店、本社等の関わりなく営業実態のある事業所ならそれぞれの地方団体への支払い義務あり。
  • 本店以外にも事業所のある場合は、そこも「本店の分割法人」として『均等割』がかかる。

を、覚えておいてくださいね。

終わりに


『店』と『社』の文字に騙された気がしますが、実際は文字の持つイメージとは真逆の関係だったのですね!(若干「なんて紛らわしい……」の感が拭えません)


事業所の支払う税金も、何かと取られるなぁ、とも思いましたが、それぞれ『都(道府県)民税』『区(市)民税』などと考えると、下手すると家よりも長い時間をそこで過ごしているのだから仕方ないか、という気にもなってきます。

会社が大きく発展するのは喜ばしいことですが、いろいろと、大変なことも増えるようですね。本当にご苦労様です!!


さて、いかがでしたでしょう。

本店勤務の皆様も、本社勤務の皆様も、2つの違いにスッキリしていただけたでしょうか?

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