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電気の「直流」と「交流」の違いとは?メリットやデメリットは?

電気の直流と交流の違い
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目覚ましに起こされ、部屋の照明をつけ、ついでに時計代わりにテレビのリモコンをピッ! ほんの数分間の朝の場面でも、電気はフルに働いています。助かります。
電気の直流と交流の違い
あまりにも当たり前の存在のため「電気について」と問われれば「へ?電気は電気でしょ?」以外の答えが思いつかないほどですが、電気には『直流』と『交流』の区分けがあり、それぞれ、特徴を生かした役割を担ってくれています。

その違い、またメリット・デメリットを知れば、今、目の前で首を振っている扇風機がなんだか健気に思え、自然と電気の節約に目覚めたりするかもしれません。

2つの違いと、メリット・デメリットを分かりやすくまとめてみましたので、どうぞ参考になさってみてください。
今までより、目覚まし時計に優しい気持ちで接することができるようになっていただけたら幸いです!

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目次

電気の直流と交流の違いを超簡単に説明

毎日を共に過ごす電気。コンセントに電源を繋げば、電化製品はたちどころに便利なツールとなって私たちに色々と恩恵を授けてくれます。

ところで、コンセントからくる電力が『交流』、でもパソコンなどほとんどの電化製品は『直流』で動いている、と知っていましたか? なんだか「?」な話です。


皆さんご存知のACアダプタ、あれにはコンセントからくる交流(AC)を、直流(DC)に変換して使用するための役割があったのです。ただの延長コードではなかったのですね!

それにしても、ほとんどの電化製品が『直流』で動いているなら、ぜひコンセントからも『直流』を!と思うのが人情ですが、そうならないのにはそれなりの事情がちゃんとあります。

直流とは、向きや大きさ(電流:アンペア/A)、勢い(電圧:ボルト/V)を変えないまま導線を流れる電気のことです。 一方の交流は、それらを周期的に(同じリズムで交互に向きを変えながら)流れていく電気。
これは2つを比べる上で、一番の違いと言えます。


けれど、これだけではまだまだコンセントからの電気が直流でない理由としては納得できませんね。

では、『直流』『交流』の特徴等を詳しく見ていきながら、納得のいく答えを探ってみましょう!


電気の直流とは?

先ほども書きましたが、ほとんどの電化製品やACアダプタからくる電気は直流、そして乾電池も直流です。

電池を入れる時、+と-マークの向きを確認します。間違った向きに入れると作動しませんね。

これは、電池が一定方向に流れる『直流』だからです。



電池を使えば次第に消耗して電圧が低下していくことはありますが、電圧の方向が変わってしまうことはありません。

電池切れかな、と電池の交換をすることはあっても、電圧方向が変わったか? と電池の向きを変えてみる、なんてこともしません。

直流とは一定方向に進む電流、と言われるとなんとなく小難しく感じるかもしれませんが、乾電池を思い浮かべていただくと、イメージしやすいかと思います。

電気の交流とは?

対する『交流』です。

直流の時間ごとの動きをまっすぐな横向きの線で表すなら、交流は横方向に、ゼロ地点を中心に、上へ、下へ、を繰り返す波を描くようなもの、と考えてみてください。


病院などで脳波や心拍数を波のようなグラフで表す機械を見たことがあるかと思います。

その波の最上部、最下部の位置を変えることなく真ん中(ゼロ)を中心に同じ間隔で繰り返されていく波形を「正弦波」といいます。

この波は、+と-。真ん中がゼロなので、+、ゼロ、-、を繰り返しながら流れていく、交流の流れの特徴となっています。


波の形では交流の具体的なイメージがうまく浮かばないかもしれません。

目に見えないものをグラフで表現されても、あまり「なるほど!」とはなりませんね。


では、ご家庭の壁のコンセント、電源プラグを差す場面を思い出してみてください。
とりあえず、差します。電池の時のように、プラグやコンセントの向きは特に気にしませんね。どちら向きに差しても問題なし。


これは、コンセントからくる電気が、直流のように一方方向からではなく、交互に流れ続けているからです。

これが直流だったら、いちいち面倒くさそうですね。
コンセントには、交流、これも一つの理由です。

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直流と交流のメリット・デメリット

交流

発電所で作られた電気は、何度も電圧を変えながら、各ご家庭や必要各所に送られていきます。

発電所で数十万ボルトに上げられた電圧は、変電所では数千ボルトに、最終的には100ボルトとなって皆様のご家庭のコンセントへ到着します。

遥か彼方の発電所から、無駄なく電気を送るためには、できるだけ高い電圧で送電する必要があります。


なぜなら、例えば同じ100W を送電したい時、10V(V=電圧)で送ると10A(A=電流)がかかるのに対し、100Vで送った場合にはたった1Aで済むからです。

流す電流(A)が大きいほど、送電時の損失は大きくなります。


ですから、電圧を高くした状態から、徐々に変圧器で低くしつつ配るのが理想的です。

これを得意とするのが交流です。トランスというコイルを向き合わせた単純な装置で電圧を簡単に変えることができる、という交流ならではの便利さも重要なメリットの一つです。

コンセントに交流が来るまでには、このような背景があったのですね。



文句なしの交流のようですが、デメリットもあります。
前述のとおり、+、ゼロ、-を繰り返しながら進む交流、同じ振れ幅で+と−に偏るため100Vの平均値がほしい場合、プラス・マイナス共に最大値、最小値が大きくなりますね。


平均年齢30歳のチームを作りたいとき、そこに3歳のお子さんが混じったり、60歳のご年配の方が参加された状態とお考えください。

100Vを得るため、交流では波の振れ幅(相位差)からの計算上、141Vが必要となることになります。(これを『実効値』と呼びます)


つまり、100Vがほしいだけなのに、プラスその分の耐久力を持った電気機器を造らなければならず、製造コストは上がってしまいます。

とはいえ、電圧を変えて使用する使い道、使い勝手の良さは、交流が現在の主流であるための重要なポイントとなっています。


直流

交流のメリット・デメリット、がそのまま逆になった感じの直流ですが、特に直流の変圧は、コストや変換器の設置スペース、メンテナンスなども含め、難しいとされています。

そのため、発電所から直流のまま各家庭まで送電するシステムが普及していないのです。


けれど、直流のまま使うことのできる場合には、大変重宝されます。

国内の直流送電方式の利用で主に知られる電気鉄道の電源ですが、もともと直流はモーター類の動作に適し、低速でも高速でも反応が良いため、電動機の運転がほとんどとなるこちらでは、最適の電流となります。変換でのロスもありません。


また、電池や蓄電池のように、ためて使うことができるのも直流のメリットとなります。
常に一定の方向で電気を流すため、交流と違い、100Vなら本当に100V用のものを造れば問題なし、というのも、無駄がなくていいですよね!


電気の直流と交流の違いを詳しく!

◆動画【中2 理科 物理】 直流と交流の違い (16分)
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